主催:応用物理学会/日本光学会/微小光学研究グループ

第125回微小光学研究会

「光散乱とその応用 −散りばめて魅せる微小光学−」

開催趣旨: 多くの光学屋にとって、光散乱は、なにかとやっかいな存在ではないでしょうか。しかし、私たちが普段目にする景色は、そのほとんどが散乱された光によって創り出されたものです。そして、夕焼けや青空やコバルトブルーの海など、時として散乱光は私たちの心を魅了する情景の立役者となります。今回の微小光学研究会では、「魅せる」「見る」ということに関する散乱光の役割を再認識するということを目的に表題の企画を立てました。

午前中のセッションでは、散乱光の基礎理論と、それに基づいた散乱光制御材料の物理設計に関する話題が続きます。このセッションでは、光散乱やその制御が、まさに微小光学で取り扱うべき領域であり、そして将来的に益々その重要性が増していくことが明らかになるでしょう。
午後の前半のセッションは、散乱光で「魅せる」ということに関する話題です。光を捉える眼球内部の散乱、産業に関わる話題として化粧、車の塗装のお話題を、それぞれのご専門の方々に講演をしていただきます。このセッションでは、物理と感性との接点に微小光学が実は強く関わっていることが明らかになるでしょう。
午後の後半のセッションは、散乱光で生体内部を「見る」事に関する話題となります。一見、どうしようもなく飛び散ってしまったように見える散乱光の中にも、実は物理情報が乗っていて、それを見分けることが、医療の分野で重要な技術となりつつあることが明らかになるでしょう。

光散乱は奥が深く、今回の研究会で取り上げる話題はその一部にすぎませんが、参加された方々が光散乱に魅せられて、そして物理と感性の境界領域に興味を持っていただけるならば幸いです。

なお、研究会の会場となる富士フイルム西麻布ホールと表参道との間は、お洒落なディスプレイの店が建ち並ぶ「骨董通り」です。せっかくの機会ですので、散歩して魅せられてみてはいかがでしょうか。新しい微小光学の展開が思い浮かぶかもしれません。


第125回研究会担当委員:小澤 章一、小里 貞二郎、波多腰 玄一、横森 清、納谷 昌之 (記)

last update September 09, 2012

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